どぶろくはじめました。

男もすなるブログというものを
女もしてミントてするなり。

はじめまして、「筐ヶ瀬 巻飴」と書いて「カタミガセ・マイ」と申します。
読めないのは仕様です。
今日からこのブログを始めるわけですが
ブログのこととかよくわからないので
とりあえずドブロクの話でもしようかな。
ちょうど昨日飲む機会があったもので。
さて、突然ですが
この世には2種類のどぶろくがあります。
ご存知ですか?
ひとつは「密栓しても大丈夫などぶろく
もうひとつは「密栓すると命が危ないどぶろく
です。
昨日は幸運にもその両方を
拝ませていただきました。
ご紹介しましょう。
エントリーNo.1
密栓しても大丈夫などぶろく代表
奈良県は久保本家酒造の看板娘「生酛のどぶ(瓶燗)」



いわゆる「にごり酒」というヤツです。
にごり酒といってもマッコリみたいな濃厚な甘みはなくて
どちらかというとさっぱりした口当たりです。
しかしながら清酒にはない「おいしい雑味」が詰まっていて
ふくよかで豊かな味がします。
急いで飲んだらもったいない。
じっくり味わって欲しい、そんな一本。
エントリーNo.2
密栓すると命が危ないどぶろく代表
兵庫県豊岡市の誇るこだわりの一本「八平達磨」


お酒と言うより、むしろおかゆに近いです。
つぶ入りジュースなんてメじゃないです。つぶ(米麹)の方が主役です。
もはや「飲む」という動詞が適切ではありません。
「すする」というほうがしっくりきます。
英語に訳すなら「drink」ではなく「eat」がよいでしょう。
味も並一通りではありません。
甘くて、すっぱくて、苦くて、
やわらかで心地よく、それでいてちょっと刺激的で。
まだ幼かった私は
これが恋なんだと、気づかないまま
「濃い! 何だ!?」
と戸惑うばかりでした。
……と、いうような味です。
自分で言っててよく分かりません。

さてこのお酒、密栓すると何が危険なのかというと
なんと瓶が破裂してしまうのです。
その理由は蓋を開けるとすぐ分かります。
しゅわわわわっ と
シャンパンを空けた時のような泡wawawa
そう、このどぶろくは強炭酸なのです。
でも、おかしいと思いませんか?
同じく強炭酸のスパークリングワインは
密栓しているのに破裂したりしません。
瓶が丈夫だから?
いえいえ強度は同じです。
このどぶろくには、密栓できない決定的な理由があります。
それは、生きているから。
普通、日本酒は瓶に詰める前に加熱処理をして
炭酸を抜くとともに完全に殺菌してしまいます。
カーボンオフセットってやつです。
しかし本場のどぶろくは、不殺をモットーとしています。
いうなれば逆刃刀です。
もしくは酒場糖。
いいえ、ブドウ糖です。
どちらにしろ甘ちゃんです。
菌を殺さずそのまま瓶につめるため、瓶の中でも醗酵が進みます。
CO2が出続けるわけですから
瓶 内 超 温 暖 化 !
ではなく、
圧力がぐんぐん上昇していきます。
そして瓶が耐えられなくなると
D O N !
……となってはいけないので、蓋に細工をします。
空気が抜けるように、特殊な蓋にしてあるのです。
詳しくは企業秘密。というか私もよく知らない。

ともかく
美味なる酒を与えてくれた
杜氏さんと菌類と酒の神様に感謝しつつ
今日のブログはこの辺でお開きにしたいと思います。
p.s.
巻頭言は中の人が男だという意味です。
いちおう。